海や山をいつも感じる暮らしのフロア 本館6階 Feel the Wind

2026.09.30

あ、ここもわたしだった。

春先に、手のひらに乗るほどの大きさのサボテンを買った。四角亀甲鸞鳳玉(しかくきっこうらんぽうぎょく)という、なんともかっこいい名前のサボテンだ。名前とは裏腹に(?)、ハリのある四角いからだは、ぷっくりと重量感があってかわいらしい。台所のカウンターに置いてからというもの、朝に夕に、色ツヤはどうか、少し大きくなっただろうか――お店のひとは成長が遅い品種と言っていたけれど――と、つい眺めてしまう。

これまで数々の鉢植えを枯らしてしまった経験を持つわたしは、今回のサボテンに対して「今度こそ」という思いがある。つい、目に見える緑の部分に意識が向きがちだけれど、鉢の中にはもちろん根があって、土の上に見えているぷっくりとした姿も、そこからつながっている。ときどき鉢を持ち上げて、土にどのくらい水分が残っているか確かめる。鉢の下の方に重みを感じたら、まだ水をあげるタイミングではない。水をあげるのは、ちゃんと土が乾いてから。

水が足りなかったり、反対にあげすぎたりしても、過去のわたしは、葉や茎がしおれたり枯れたりするまでその異変に気づけなかった。見えるところに変化が出るずうっと前から、鉢の中では何かが起きていたのに。

自分のからだも、案外似たようなものかもしれない。朝、鏡をのぞけば肌の調子が気になるし、髪のパサつきやうねりにもすぐ気づく。顔を洗って化粧水とクリームを塗り、髪にはトリートメントスプレーを吹きかける。見えているところには、それなりに手をかけているつもりだ。けれど、たとえば、その髪の下にある頭皮は? そもそも顔の皮膚と頭皮は地続きなのに、顔や髪は毎日気にしていても、頭皮となると途端に意識が届かない。自分のからだでありながら、ほとんど「見ていない場所」だった。

そんな折、ハーブ専門店の店頭で頭皮ケアを受けられることを知った。さっそく行ってみる。マイクロスコープを使った頭皮診断のあと、わたしの頭皮の状態に合ったハーブを選んでもらう。そして、そのハーブを蒸留したミストを、髪をかき分けながら吹きかけてもらう。頭皮に届くミストの感触もさることながら、天然ハーブ100%の香りの豊かさよ! 髪の上から香るのではなく、その細かなミストを頭皮で直接受け止めていると思うと、なんとも贅沢な気分になる。ふだんは存在を意識することさえ少ない頭のてっぺんに、「いま、ここにハーブのミストが触れている」と感覚が集まっていく。あ、ここもわたしだった。

施術が終わる頃には、頭まわりがすうっと軽くなったような感覚があった。けれど、それ以上に印象に残ったのは、頭皮という場所をひさしぶりに意識したことだった。顔や髪のように鏡で毎日確かめることはなくても、そこも同じように、乾いたり、コンディションが変わったりするし、手をかけてもらえば心地いい。

見えているところだけが、そのものの全部ではない。見えていないからといって、何も起きていないわけではない。サボテンの鉢の中と同じように、自分のからだにも、目に入りにくいところで日々変化している場所がある。ときどきそこへ目を向けることを、心に留めておこう。

THE HERBS
頭皮ケアミスト
初回  3,850円(税込)
2回目以降 4,950円(税込)
「足し算のケアから引き算のケアへ」をコンセプトに、植物の力(フィトケミカル)を活かした「肌に足りなくなったものを補うケア」を提案するTHE HERBS。頭皮ケアミストでは、厳選したドライハーブ(頭皮や髪の状態に合わせて7種類から選択できる)を水蒸気蒸留し、植物成分100%の化粧水を水蒸気状に抽出する美容スチーマーを使用する。合成原料を配合しないため、ハーブの効能が肌や髪に浸透しやすい。店頭で気軽に受けられるサービスのため、お買いものの前後の予定に組み込むのもおすすめ。予約優先制。
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