
子どものころ。家族で出かけた思い出をいくつ持っていますか。
行き先はどこだったか。どんな乗り物で行ったか。お出かけ先でなにをしたか。なにを食べたか。お父さんやお母さんと喋ったのはどんなことか。おおまかなことは覚えていても、ディティールは意外に覚えていないものではないかしら。それは、なぜでしょうね。これは、あくまでも推測(しかも少々強引な推測)なんですけど。着ているもののせいではないかと思うのです(やっぱり強引?)。名付けて、「思い出は着ていた物で記憶する」説といいます。いま、このエッセイのために急に名付けたんですけど、ホントウは(笑)。 ところで、たいがいのお出かけはお洋服でしょ。それ以外(着物ということ)はむしろほぼないのでは。ほら、親子で浴衣を着て出かけた記憶って、そう多くはないと思うのです。出かけていたとしても、せいぜい近所の夏祭りや花火見物。あとは、近所の商店街の縁日くらいでしょ。“夏越の祓(なごしのはらえ)”なんかも風情があってよい思い出になりそうですが、ご近所にない方も多いことで しょう。温泉に行くと、多くの方が浴衣に着替えて温泉街を散策した経験をしているかもしれません。でも、それは旅館の浴衣。自前のじゃないから、そこまで思い入れはないので、浴衣の柄まで記憶しているひとは少ないでしょう。
こうやって、指折り数えても、浴衣を着て家族で出かけたことって、近場以外では、そんなにないのではないでしょうか。兄妹や姉妹で近所の夏祭りや花火大会に出かけたことはあっても、家族で少し遠くへとなると、なかなかない。そういうものかもしれません。 そこで、この夏。家族で浴衣を着て、ちょっとお出かけしませんか。べつに夏祭りや花火大会と決め込むことはないじゃないですか。 いつもの先まで、お出かけしてみましょう。涼しくなってきた夕方から、浴衣に着替えて家族で近所を散歩するなんてステキですよ、きっと。カフェに出かけて。ここはコーヒーじゃなくて、パフェ、かき氷などをいただきたい。気分があがりそうだし、浴衣に似合いそうですからね。ちょっと奮発して、お寿司屋さんに出かけみるなんていうのもありです。これは、パパのおサイフと相談(笑)。
サッと着替えて、パッと出かける。家族で、そんなふうに浴衣を楽しむのも楽しそうです。お出かけしなくても、デッキがあるようなお家ならビーチチェアでも出して、浴衣で「家族おしゃべり会」を開催しませんか。いつもとは違う会話が弾みそうです。そうそう、足元には蚊取り線香を忘れずに。浴衣に蚊取り線香と団扇はつきものです。豚さんの蚊遣(かやり)だったりしたら、絵になりすぎ?でも、きっと絵日記に描きたくなりますよね。
さて、さて。ご近所やお家まわりばかりじゃなくても、せっかく の夏休みなんだから、家族でリゾートへ行く機会もありそうじゃないですか。そんなとき、お出かけ先まで浴衣を持って行きませんか 。海へ行くなら、海にちなんだ柄の浴衣を!そうですね、波や魚も良いし、水玉も良いですね。山へ行くなら、花や植物など自然をモチーフにした柄を選んでみたら、どうでしょうね。浴衣を持って、 リゾート旅なんて、考えただけで、ワクワクウキウキしてきません か!その旅の思い出は、きっと浴衣の柄で記憶していますよ。「あの海のリゾートハウスへ行ったときね、ほら、ワタシとオネーチャンは花と植物の浴衣で、ママはまるで波のような模様の浴衣だったよね」と、その記憶はきっといつまでも色褪せないと思うのです。浴衣の柄が記号になって、そのときのことを映像として思い出させてくれますよ。
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