愛が溢れるほどに満ちた暮らしのフロア 本館5階 Affection for Life

2023.09.26

散歩の幸福度、ふたたび。

3年ほど続いたコロナ禍で移動を制限される暮らしを経験して、あらためて思ったのは、人間って動物、つまり「動くもの」なんだよな、ということだった。自分の足で移動するにつれて、自分を取り囲む景色が変わる。風が変わる。見知らぬ何かとの出会いがある。その変化を求める気持ちが、私たちの本能に刻み込まれている。だから、何かいいアイデアを求めている時も、頭が煮詰まってしまった時も、ちょっとぶらり散歩に出るだけで突破口が見つかったりする。

クルマや電車による「点と点を結ぶ」移動はたしかに便利だけれど、それだけじゃものたりない。時には散歩やサイクリングみたいに、移動のプロセスそのものを楽しみたい。目的地もコースも決めずに、自分も景色の一部になって、風や太陽と一緒に動いている感覚。それを味わうと、不思議とからだ中の細胞が活性化してくる気がするのだ。
けれど私の場合、ただでさえ初めての育児生活でキリキリ舞いをしているところに、コロナ禍による「新しい生活様式」が重なって、旅はおろか「ちょっとそこまで」のぶらぶら歩きすら、すっかり鳴りをひそめてしまっていた。どうしても必要な買いものや赤ちゃんのための公園通いには出かけるけれど、それは「タスクをこなしている」感じでしかなくて、なんだかなあ、という思いが募っていたのだ。

だからバガブーのシティストローラーbutterfly(バタフライ)を見つけた時には、「これだ」と思った。なんといっても自らをベビーカーメーカーではなく「モビリティカンパニー」と称している会社だもの。移動の快楽を求めるヒトの欲求を、ちゃーんとわかっている。ファーストクラスのようなリクライニングシートや、フルサスペンションの安定性といった、赤ちゃんのための快適性はもちろんのこと、ハンドルを握る大人をラクに、そしてアクティブにしてくれる気配りがいっぱいなのだ。
 ちなみにバガブーの本拠地はオランダ。「ダッチデザイン(オランダのデザイン)は実用性や実験精神に富んでいる」とよく言われるけれど、使ってみて納得。日常の困りごとをスマートに楽しく解決してくれるデザインは、オープンマインドでウィットがきいていてフレンドリー、というあのオランダ人気質をよく表している気がする。

こんなシティストローラーがあれば、お天気のいい休日、赤ちゃんと外出するついでに、ちょっと足を伸ばしてみたくもなる。曲がったことのない四つ角や、足を踏み入れたことのない路地に、あえて迷い込んでみよう。ふと鼻をくすぐる金木犀の匂いにハッとしたり、ちょっといい感じのパン屋を見つけたり、テイクアウトのコーヒーを買って公園のベンチで日向ぼっこをしたり、偶然の出会いを楽しむのだ。たっぷり積めるアンダーシートバスケットもついているから、新鮮な野菜や魚が並ぶファーマーズマーケットでどっさり買い込んだって大丈夫。なんでもない日常だって、ささやかな冒険の糸口はあちこちに潜んでいる。
 そういえば、オランダはユニセフによる「子どもの幸福度ランキング」で、先進国中トップに位置づけられている国だ。「でも、子どもが幸せに過ごすには、まず大人が明るく元気でいなくちゃね。」どこからともなく、そんな声が聞こえた気がした。

bugaboo (バガブー) butterfly (バタフライ)
69,520円(税込)
【bugaboo(バガブー)】
「Designed for discovery(発見のためのデザイン)」をコンセプトに掲げるオランダのモビリティカンパニー。デザインと工学の力で子育ての困りごとを解決し、子どもと過ごす時間を楽しくするラインナップを展開。サスティナビリティへの取り組みにおいて、世界でもっとも厳しいと言われるB Corp認証を取得している。
【butterfly(バタフライ)】
近所のお出かけにも遠くの旅にもぴったりな、瞬時で折りたためるシティストローラー。さまざまな旅のシーンを想定した軽量コンパクト性に加え、ゆったり眠れる大型のリクライニングシート、フルサスペンションによる安定走行など、ファーストクラスの快適さが魅力。
■売場
本館5階 マム&ベビーセレクト
フロアマップ
記事一覧
前の記事
次の記事

Read More

Kobe Style World