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時を重ねることで生まれる
価値や美しさに目を向けながら、
26AWシーズンの最新モードをお届けします。
大阪の街に刻まれた時間とともに、
新たなファッションの魅力をご覧ください。

26AWシーズンの最前線を、
時間の積み重ねを感じさせる大阪の空間で撮り下ろし。
時間の美しさを表現しました。

「パトゥ」
ブラウス(チェック) 179,300円
ブラウス(グリーン) 236,500円
スカート 163,900円
シュシュ 26,400円
ブローチ 60,500円
※シューズ スタイリスト私物
◎3階 モード

長く着ること、受け継ぐこと、自分らしく着続けること。2026-27年秋冬シーズンのモードを起点に、大阪の服飾文化とともに時間が育てる価値を見つめ直す。

―― まずはじめに、2026-27年秋冬コレクションを象徴するトレンドについて教えてください。
村上要(以下略) ここ数年続いている大きな流れとして、半年ごとに最新作を発表するハイブランドの世界でも「良いものは長く着たい」という価値観は当たり前です。“クワイエットラグジュアリー”と呼ばれるような、装飾を抑えた普遍的なデザインの洋服を取り入れるスタイルが次のフェーズに進化しています。今は普遍的な服に、どんな物語や意味を与えられるかが何より重要。その流れの中で、2026-27年秋冬を象徴するキーワードは“愛着”と“継承”でした。価値観が多様化した今でも、誰もが共感できるもの、家族やコミュニティ、受け継がれてきたものに改めて目が向けられています。

中野朋子(以下略) 着物の世界でも、おばあさまの帯に今の時代の着物を合わせる、といった楽しみ方は昔からありました。江戸時代の着物は、今でいうオートクチュールのような存在。すべて一点ものとして仕立てられ、その人の好みや美意識が細部まで反映されています。だからこそ、一着を仕立て直しながら世代を超えて受け継いでいく文化が自然と育まれていったのだと思います。

村上 それでいうと、今季の〈クロエ〉は、デザイナー自身が子育て中の母親ということもあり、手編みのようなニットに自分でマクラメを加えたようなディテールなど、母から娘へ継承する服という考え方をコレクションに落とし込んでいました。一方〈ドリス ヴァン ノッテン〉は制服から着想を得ています。制服は学生時代に毎日のように袖を通すから、自然と愛着を抱く服ですよね。その記憶をもとに、ブレザーをリメイクしたようなデザインや手仕事を加えたシャツを提案しました。
娘へと継承していく服を軸にデザインを発展させた〈クロエ〉 変形したブレザーなど、制服に着想を得た〈ドリス ヴァン ノッテン〉
―― “愛着”や“継承”という価値観は、大阪の服飾文化にも通じますか?
中野  大阪には昔から、自分らしく装うことを楽しむ独特の美意識が根付いてます。江戸時代の着こなしについても、大阪では少し着崩す文化がありました。襟元を抜き、裾も軽やかに見せる。江戸から赴任した役人が「大坂の風俗はみだらにみえる」と日記に書き残しているほど、大坂と江戸とは装いの感覚が違っていたんですね。自由に、自分らしく着こなすという感覚は、今の大阪にもどこか受け継がれているように感じます。もう一つ特徴的なのは、衣服を長く使う文化です。着物は仕立て直しながら何世代にもわたって着続けることができますし、大阪には江戸時代から古着屋街があり、たくさんの古着が流通していました。新しいものを買うだけではなく、娘や孫に受け継ぎ、新たな組み合わせを楽しむ文化が、昔から当たり前のようにあったのではないでしょうか。

村上  現代のファッションとも重なる話ですね。少し前には“ダッドスニーカー(お父さん時代のスニーカー)”や“グランパコア(おじいちゃん風のスタイル)”のように、お父さんやおじいさんを参考にするスタイルが広まりましたし、家族から継承した服を自分らしく着ることに抵抗のない世代が増えています。以前は家族をファッションの文脈で語ることに照れのようなものがありましたが、今の若い世代はごく自然に「祖母の服を着ています」「父のジャケットを借りました」と話します。ヴィンテージを選ぶ理由も、その服が持つ時間やストーリーに惹かれているから。大阪の昔からの文化が、今のモードの価値観と重なって見えるのはとても面白いですね。
襟元はゆったりと、裾は左右に折り返した姿は
大坂や京都で見られた。
裏地の赤が覗くのもおしゃれ

掲載資料:大阪歴史博物館所蔵
大坂の女性をテーマに描かれた
「難波女(なにわめ)」には、
母と娘の装いの違いが的確に描写される

掲載資料:大阪歴史博物館所蔵
―― 長い歴史を持つブランドは“継承”とどう向き合っているのでしょうか。
村上  今は「何を残し、どう更新するか」がすごく重要なテーマになっています。例えば〈ロエベ〉は、ブランドの核にあるクラフトマンシップを新しい形で受け継いでいます。今季は、皮革職人だけでなく、ペットのトリミングをしているトリマーがシープスキンを刈り込んだアウターが登場しています。

中野  クラフトというと京都の印象が強いですが、その文化を支えてきたのは大阪の経済力でもありました。大阪で商いが栄え、人やもの、お金が動くことで、京都のものづくりも発展してきた、どちらか一方だけでは語れない関係なんです。大阪歴史博物館の所蔵品の中には、総刺繍の振袖なども残されていますが、こうした振袖を仕立て替えながら受け継いでいく例も少なくありません。手間を惜しまずつくられた一着だからこそ、時間を重ねながら次の世代へ引き継がれていったのでしょう。
〈ロエベ〉は新しいアプローチでクラフトの美しさをルックに落とし込んだ ピエールパオロ・ピッチョーリによる〈バレンシアガ〉は、創業者のクリストバル・バレンシアガが築いたカッティングの美学を浮遊するシルエットで体現
鹿の子絞りと刺繍で彩られた総文様の小袖、
振袖を仕立て直して小袖にしている

掲載資料:大阪歴史博物館所蔵
―― 今回の対談を通して、お二人が改めて感じた「TIME IS BEAUTIFUL」とは?
村上  今日お話して改めて感じたのは、人の心を動かすものは、昔も今もあまり変わっていないということです。新しいデザインや技術は生まれ続けていますが、その根底には「誰かに選ばれたい」「長く大切にしてほしい」という思いがあります。だからこそ、愛着や継承という価値観が今の時代に響いています。

中野  歴史を振り返ると、ただ漫然と古いものを受け継ぎ続けているだけではなく、新しいものを取り入れながら次の時代へつないでいることがわかります。着物も、袖を仕立て直したり、帯を親から子へ受け継いだりと、形を変えながら使い続けてきました。ファッションも同じように、時間を重ねることで価値が育まれていくものなのだと、改めて実感しました。

村上  過去への敬意を持ちながら、その時代の価値観を重ね、新しい解釈を加えながら次の一歩へ進んでいく。その積み重ねがあるからこそ、長く愛されるブランドや服が生まれていくのだと思います。
『WWDJAPAN』編集長
村上要Kaname Murakami
2021年4月より、プリント、デジタルメディアを統括する『WWDJAPAN』編集長を務める。2026年9月19日(土)に開催される「FEEL THE RUNWAY」ではトークイベントに登壇予定。
大阪歴史博物館 学芸員
中野朋子Tomoko Nakano
専門は日本工芸史。商都大阪の衣生活や豪商の暮らしなどを中心に調査研究を行っている。展覧会の企画、講演、大学での講義などを通して、大阪の服飾文化の豊かさを幅広く発信中。
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時間を重ねるほど、その一着は持ち主だけの物語を宿していく。10年以上大切にしてきたもの、そして10年後も残したいもの。服とともに歩んできた、それぞれの時間を聞いた。

01

大切に残してきた一着、そして未来へ残したい一着。そのどちらにも共通していたのは、「自分らしく着続けたい」という思いだと語ったnozomiさん。「昔は少し頑張って着ていた服も、今では肩の力を抜いて楽しめるようになりました。時間を重ねるほど、自然体で着られるようになった気がします。服って長く持つことが大事なんじゃなくて、一緒に時間を過ごすことが大事なんですよね。だからこそ愛着が生まれるし、これからも何気なく手に取りたくなるものを大切にしていきたいです」

「背面のデニムにヴィンテージの生地を使っている〈ブレス〉のパンツは、自分だけの特別な一着。きれいに穿くというより、たくさん着て色褪せやダメージなどの風合いを育てていきたいと思っています」
「〈ロエベ〉と〈マルニ〉、〈スウォッシュロンドン〉のスカーフはすべて贈りもの。自分を思い浮かべながら選んでくれた気持ちがとてもうれしい!」
「憧れのブランドだった<ルッツ ヒュエル>のコートは、visitforで取り扱いを始める際に迎え入れた思い入れの強いアイテムです」
まるでアート作品のような
〈ブレス〉のスカート。
02

「ヴィンテージも新しい服もどちらかを選ぶのではなく、自分らしく掛け合わせる」というSachikoさん。セレクトショップと古着店を手掛ける彼女ならではのスタイルだ。「新品だけでコーディネートするのも素敵だけど、ひとつヴィンテージを取り入れるだけで、その人らしさがぐっと引き立つ気がしていて。好きだと思ったものは手放さず、時間をかけて集めてきました。どれも宝物のような存在ですし、これからも年齢を重ねながら、自分らしくアップデートしていきたいですね」

「1950年代の後付けパーカーは、とてもレアで頑張って購入しました。東京と大阪の二拠点生活なのですが、東京の自宅にわざわざ持っていくほど、大切にしている宝物です」
「家族のイニシャルを刻印したゴールドリングなど、お気に入りのジュエリーは欠かさずに」
「ビートルズのイラストが描かれたスウェットシャツ。ヴィンテージならではの愛嬌と風合いが可愛いですよね」
「〈ジャックムス〉のジャケットは構築的なシルエットが美しい一着。アイコニックなバッグともに合わせていきたい」
「10年後、歳を重ねてからこそ、華やかで可憐なトップスを!」
03

真っ赤なジャンプスーツは〈ヴイヴィアーノ〉。「ブランドとの出合いとなった、思い入れの強い一着。最初に迎えるなら、一番強い服がいいと思って選びました。着ると自然と気持ちが高揚して、力を与えてくれるんです」

「この10年、大切にしてきたのは、デザイナーの方と話した記憶や、誰かに勧めてもらった思い出までつながっている服です。買い物でも買い付けでも、自分の気持ちが高揚するかどうかを大事にしていて。本当にいいと思えるからこそ、その魅力を人にも伝えられるんですよね。手が込んでいたり、誰かの思いが込められていたりする服は、時間が経っても特別な輝きを失わない。これからも、出会った時の感情や物語ごと残しておきたいと思える一着を選びたいです」

「アナ・ウィンターが着用していた〈プラダ〉のワンピース。普段着ではなく、大切な食事や特別な日に袖を通す存在です。『プラダを着た悪魔2』が公開となり、着たいという気持ちが高まりました」
「パリで偶然見つけた〈メゾン マルジェラ〉のブーツ。ヒール背面の文字にキュン」
「〈モトヒロ タンジ〉のニットは、デザイナーと生徒が共作した特別な一品」
「シモーン・ロシャが来日した記念のイベントで勇気を出して声を掛け、バッグの裏に彼女のサインを入れてもらった、忘れられない思い出が詰まっています」
04

「祖母が40年以上大切に着続けてきたフォックスファーのコートは20歳の頃に受け継ぎました。仕立てが美しいのはさることながら、裏地に祖母の名前が刺繍されているのも、わたしにとって特別な一着です」

祖母から譲り受けたもの、そして自ら選び抜いたもの。瀬月さんにとってどちらにも共通するのは、「自分らしくありたい」という思いだった。「流行に左右されるより、自分が本当に好きだと思えるものを選びたいんです。祖母から受け継いだものも、ただ持ち続けるのではなく自分らしく着こなしてこそ、意味があると思っています。服やジュエリーは気持ちを支え、自信を与えてくれる存在。だからこそ、年齢を重ねても、自分らしくいられるものを大切に受け継いでいきたいと思っています」

煌びやかなストーンやパールモチーフが象徴的な〈タナカダイスケ〉のドレスは、胸元の“FATE”の文字をカスタマイズ。「フロアレングスなのも上品で好きです。舞台の上だけで着る、わたしの鎧であり相棒的存在!」
「〈サンディ・リアン〉や〈スワロフスキー〉、〈プールデ〉など遊び心のあるジュエリーは、大人になってもたくさん身につけ続けたいですね」
「4才に祖母にもらったバッグのおかげで、薔薇モチーフが大好きになりました」
「大ぶりなルビーの指輪は、早く似合う女性になりたくて背伸びしています」

値段で迷うなら買ってOK。
デザインで迷うなら買わないほうがいい 売場スタッフ / R.S さん

着ている自分のシチュエーションが
妄想できない服は買わない バイヤー / W.K さん

決め手は、手持ちとのコーディネートが
3パターン以上組めるかどうか バイヤー / T.O さん

HANKYU.MODEの
スタッフに聞きました

『これを旅行行くなら』と想像して
テンション上がるかが重要 ディビジョンマネージャー / N.H さん

3年後ているが思い浮かばない
わない ディレクター / H.H さん

かのまねではなく、自分にしかこなせない
バランスになるかを大切に エディター / M.H さん

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あの頃には気づかなかった一節が、人生を重ねた今だからこそ響く。何度読み返しても発見をくれる名作を本を愛する3人がセレクト。

選書人シトウレイ
ストリートスタイルフォトグラファー、ジャーナリスト。世界のコレクションを取材し、独自の視点でファッションを発信。

高校生の頃は、本当の面白さを理解できなかった『こころ』。今読み返すと、品がありながら気取りすぎない文章や「続きが読みたい」と思わせる構成の巧みさに、漱石のエンターテイナーとしての凄みを感じます。『100年の旅』は、0歳から99歳までの人生を、1ページごとにそれぞれの年齢での心情が綴られた絵本。自分の年齢までは「あるある」と共感し、その先は未来を追体験するように読む。歳を重ねるたびに心に残るページが変わっていく一冊です。

選書人榎本紀子
ファッションデザイナー。2020年にブランド〈ノリ エノモト〉を設立。2025年にはジュエリーブランド〈ガルブ〉を始動。

悩んだときに何度も開く『私は私のままで生きることにした』。「見る目を養おう」という章は、服だけでなく、絵画や建築、自然に触れることが感性を育てると教えてくれます。『思わず考えちゃう』 の「スケッチを描き続けるのは、自分のテンションを上げるため」という言葉にも深く共感しました。ものづくりは誰かのためであると同時に、自分自身を励まし続ける行為でもある。読むたびに、少しだけ価値観を更新してくれる二冊です。

選書人萬波ユカ
モデル。看護師を経てファッションの世界へ。2021年、オーナー兼バイヤーを務めるヴィンテージストア「MAN vintage」をオープン。

海外出張へ向かう飛行機の中や、新しい挑戦の前に開いてきた大切な二冊。『宇宙兄弟』は、「夢を持ち続ける人はどう生きるべきか」を描いた物語。未来は特別な才能を持つ人ではなく、今日できることを積み重ねる人が切り拓いていく。そんなムッタの姿に、何度も勇気をもらっています。『銀河鉄道999』は、旅の中で出会いと別れを重ねる星野鉄郎が印象的。旅路そのものが人を成長させてくれると教えてくれる作品です。

インスタグラムまたはXにて、

①10年以上前から大切にしているもの
②10年後の自分に残したいもの

いずれかの「画像」+「思い出やこだわりコメント」と
指定ハッシュタグをつけて投稿。

指定
ハッシュタグ
#MyVintage#timeisbeautiful#hankyumode10周年

このSNSキャンペーン参加者と、9/19(土)の
ドレスコード#My vintage参加者の中から、
My vintage賞(5名様)を選定させていただき、
賞品として阪急百貨店商品券(1万円分)を進呈。

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