海や山をいつも感じる暮らしのフロア 本館6階 Feel the Wind

2026.02.27

やま→まち→ちょっとそこまで。

全身に吹きつける六甲おろしはまだまだ冷たいのに、陽射しが少しずつ増してきた今日この頃。週末の朝にウォーキングに出かけるのも楽しみになってきた。風が和らいだ日には、足元を照らす光に柔らかさが混じっている。お隣さんの玄関先のアーモンドの木も、つぼみが膨らみはじめた。もうすぐ春――その気配は、気温よりも先に、色や匂いに滲むものなのだなと思う。

顔を洗って身支度をしながら、「今日はどこへ行こうかな」と考える。お気に入りのパン屋で塩パンとベーグルを買うだけでもいいし、そのまま坂を下って海を見に行ってもいい。「ちょっとそこまで」のウォーキングが、冬のあいだよりもずっと軽やかに感じられる。そんな気分を反映して、玄関でカラフルなFlower MOUNTAINのスニーカーに足を通した。

このスニーカーに出会ったとき、海の波や山の尾根、木の葉や花びらを彷彿とさせる曲線や、自然の風景からスポイトで色を抽出してきたかのような色づかいに惹かれた。神戸のまちで暮らしていると、海と山が近い。物理的にも、気持ち的にも。海・山どちらで履いていても違和感がないだろうし、このおしゃれなデザインはまち歩きにも馴染む気がして、思わず購入した一足だ。

家の前の坂道に出ると、うーん、空気がつめたい。まずは体を温めたくなって、登山口につながる坂を登ることにした。数分歩いて振り返ると、まちの向こうに港湾の海キリン(ガントリークレーンというらしい)の首が覗く。次のブロックまで登ってまた振り返ると、今度は朝陽がきらめく海面も見えた。一歩一歩坂を登るたびに目の前には山の緑が迫りくるのに、振り向くとどんどん眼下に海がひろがっていく。ほんとうに、神戸は海・まち・山が連なっているなぁと思う。

だんだんと坂の勾配がきつくなってくる。Flower MOUNTAINのスニーカーは、足裏の感覚が柔らかいのに、斜面でもしっかり地面を捉えてくれるから安心感がある。山道を歩くための機能をルーツに持つからかしら。このまま住宅街を抜けて登山口に入ってもいいけれど、山を散策していたら家族の朝ごはんの時間までにパンを買って帰れない。体も温まったことだし、Uターンしてパン屋に目指すことにした。

まちの中心に向かって、ずんずんと坂を下る。登りは1本道で来たけれど、下りは気分転換に適当に曲がり角で坂を変えてみたりする。通りかかった小さな公園で、梅の花がほころび始めていた。花の香りに気づくのは、歩いているときだけだ。自転車や車に乗っていると、ビューンと見逃してしまう。

開店まもなくに着いたパン屋では、まだ目当ての塩パンが焼き上がっていなかった。店員さん曰く「あと30分くらいで焼きあがります」。幸い、家族が起きるまでまだ時間の余裕はある。せっかくだから、パンを待つあいだに海まで行こうっと。

国道を越えて海に近づくにつれ、風の匂いが変わる。海の風には、すでに春の湿度が混じっているみたい。海沿いの遊歩道でベンチに腰をかけ、靴紐を少しだけ緩めた。長く歩いたはずなのに、足はまだどこかへ行きたがっている。ううん、ここまで。引き返してパン屋に寄って、家まで歩いて帰らないといけないもの。

朝のウォーキングで、山に近づき、まちを通り抜けて、海まで。やま→まち→ちょっとそこまで、の「しりとり」の完成だ。神戸では、この「しりとり」が特別な遠出にならない。日常の移動そのものが、小さな旅になる。そんなふうに歩き続けるうちに、季節も暮らしも、静かに前へ進んでいくのだろう。

Flower MOUNTAIN
YAMANO3
23,100円(税込)
YAMABUSHI
25,300円(税込)
自然の中で得られる感性と都市生活を融合させたデザインを特徴とする日本発のシューズブランド「Flower MOUNTAIN」。アウトドアカルチャーや旅から着想を得た色使いや素材の組み合わせを取り入れ、機能性とファッション性を両立した靴づくりを追求。履き心地や耐久性にもこだわり、職人の手作業で細部まで丁寧に仕上げられている。スニーカーとしては唯一無二のハンドメイドの雰囲気と質感で、まち歩きからアクティブシーンまで楽しみたい。
■売場
本館6階 アットトランク サポーテッドバイ クルーザキャンプ
フロアマップ

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