愛が溢れるほどに満ちた暮らしのフロア 本館5階 Affection for Life

2025.05.30

羽織れば、しゃなり。

朝、ダイニングの窓を開けると、ふわりと涼しい風がカーテンを揺らした。陽射しはもう夏の気配を帯びているけれど、空気はまだどこか軽やかな、初夏の朝。台所に移動して勝手口の窓を開けると、家の中をすーっと風が抜けていく。コップ一杯の水をからだに流し込み、しばし風を感じる。慌ただしい一日が始まる前の、わずかなワタシタイム。勝手口から射し込む朝の光を浴び、そっと今日のエネルギーを蓄える。

子育て中の平日の朝は、時間との勝負だ。まだ眠そうな子どもたちを揺り起こし、ごはんを食べさせ、着替えを手伝いながら自分の準備も同時進行。歯みがきに靴下探し、気づけば「早くしてー!」と声を張り上げる。どうして靴下って、たたみきれていない洗濯物の山から片方ずつばかり発掘しちゃうのかしら。時計の針ばかりが進んでいくなかで支度を整え、「忘れ物はない?」と声かけしながら、上の子にはランドセル、下の子に保育園リュックを背負わせて玄関へ。おっと、私がシャツを羽織るのを忘れてた。子どもたちと一緒に家を出て職場へ向かう私がコーディネートにかけられる時間は、ほんのわずか。そんな日々の強い味方が、シャツだ。着回しがきく、シンプルなカットソーとボトムス。その上にひらりとシャツを羽織ってすっと襟を立てると、それだけで「きちんと感」が出るのがうれしい。

この時期のお気に入りは、リネンのシャツだ。リネン独特の凛としたあのハリ感には、なんとも言えない心地よさがある。やわらかさのなかにも芯があるというか、着る人の佇まいまでしゃんと見せてくれるから素敵。風をはらんでふわっと揺れる裾は初夏の空気とぴったりだし、首まわりや腕まわりが肌にまとわりつかずにさらっとしているから、バタバタと上の子を登校班の集合場所に送り届けたり、保育園に向かって自転車を走らせたりするなかで汗ばんでも快適。美しさと機能性を兼ね備えたアイテムだと思う。

軽やかで、しゃなりとした雰囲気で。それでいて、シワも味になるし、多少ヨレてもそれが魅力になる。肩肘を張らなくてもちゃんと素敵でいられるリネンシャツは、着る人の内側にあるヌケ感や余裕を引き出して見せてくれる気さえする。子育て中はそういった「ゆとり」とほど遠い毎日だったりするけれど、どこかで「ゆとりのある女性でいたい」と理想を抱いている自分がいるのも事実。リネンシャツはただの“服”を超えて、「ちょっと憧れるワタシ像」に近づける魔法のような存在なのかもしれない。

ヌケ感や余裕は、きっと誰しもが本来内側に持っているもの。リネンシャツを羽織るだけで、その片鱗がいくばくか顔を出してくれる。自転車を漕ぎながら子どもの「しりとりしよう」に「いいよー、りんご」と付き合っていた“母”の自分から一転、保育園に送り届けたあとの私は“しゃなりとした一人の女性”として、リネンシャツとともに今日も社会に向かっていく。

プルアプープ  リネンシャツ
17,380円(税込)
フランス語で「船首から船尾まで」を意味し、「楽しさが溢れる心地よい毎日の装いを。」をコンセプトに阪急百貨店が展開するセレクトショップ「プルアプープ(proue a poupe)」のオリジナル商品。質感にこだわったリネンシャツは、ゆったりとした着心地ながら、身幅などがメンズライクになりすぎないように計算されている。春から秋にかけて長く使えるベーシックアイテムとして、様々なテイストのファッションにミックスして楽しみたい。
■売場
本館5階 プルアプープ
フロアマップ

本記事に掲載の商品は、阪急百貨店・阪神百貨店のリモートショッピングサービス「Remo Order(リモオーダー)」にて、ご自宅や外出先からスマートフォンでご注文いただけます。

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