昔「雲の上はいつも晴れ、だからね」とある人に言われて、ハッとしたことがある。地上でどれだけ雨が降っていようと、雲を抜けてしまえば、そこにあるのは曇りのない青空。考えてみれば当たり前のことなのだけれど、今日の天気に一喜一憂しながら暮らしているわたしたちは、意外にそのことを忘れがちだ。
人生もまた、おなじこと。時にはつまづくことがあっても、ちょっと引いた目で全体を見てみれば、雨を降らせる頭上の雲の上には、もっともっと大きな祝福の青空が広がっている、そういうことなんだと思う。
そんなことを不意に思い出したのは、先日出かけた百貨店でのこと。最近出産したばかりの若い仕事仲間に何か贈りものを、と探していたわたしの目に、雲のかたちをした、一風変わったベビー食器が飛び込んできた。
これまで見慣れていたコロンと丸いベビー食器とまったく違う。「でもこれが使いやすいんですよ」と店員さんに言われて、持たせてもらって「なるほど!」と思った。もくもくとしたかたちは、わたしの手のひらにすっぽりおさまって、指のかかり具合も絶妙に心地よい。そして大小のカーブがいくつもあるおかげで、赤ちゃんが不慣れな手でスプーンを使う時も狙いを定めてすくいやすい。
単にかわいいとか目新しいだけじゃない。常識にとらわれずに、ほんとうの使いやすさを考えたデザイン。うん、いいな。そう思った時、あの「雲の上はいつも晴れ」という言葉が心に浮かんだのだ。「もくもく雲でモグモグかあ」なんてちょっと楽しい気分になったわたしは、これをギフト用に包んでもらうことにした。
離乳食期、懐かしいな。わたしにとってはもう何年も前の話になるけれど、今もありありと思い出す。せっかく用意したごはんも、手でグチャグチャつかんでは床に落としてしまい、口に入る量より、あたりに散らかす量のほうがずっと多いなんてことがしょっちゅうだった。あーあ、というため息を何度ついただろう。それでも少しずつ食べものの味や食感を覚えたわが子は、そのうち好きな食べものは自分から身を乗り出して食べるようになった。お口をあーんと開けて「もっと、もっとちょうだい」と仕草で示す、あの表情のかわいさは忘れられない。
自分自身を振り返ってもそうだけれど、新米ママやパパというのはしょっちゅう些細なことで心配したり悩んだりするものだ。よその子と比べてハイハイするのが遅いとか、言葉が出るのが遅いとか。今となってみれば過去の自分に「そんなの心配しなくて大丈夫、もっと肩の力を抜いて!」って言ってあげたくなることばかり。そう、まさに雲の上はいつも晴れ、なのだ。大事なのは、赤ちゃんが毎日よく寝てよく食べてよく遊んで、健康で笑っていてくれること。それが親にとっての「青空」なんだと思う。
ママになったばかりの彼女にも、そんなこと感じてもらえたらいいな。雲をかたどったマットやお皿を食卓に並べるたび、ちょっと明るく楽しい気持ちになって。たまにイライラしちゃうことがあっても、ちょっと落ち着いて深呼吸してみたら、お皿の上に広がる赤ちゃんのごきげん顔に気づくはず。そして、いつか赤ちゃんが大きくなった時、「雲の上はいつも晴れ」という話をママから聞かせてあげてほしいな、と思うのだ。
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