中学校時代からの親友は、よく気がきいて頼りになる長女タイプ。アバウトでおっちょこちょいで、いつも周囲に助けられている末っ子タイプとのわたしとは対照的だ。まさに凸凹コンビというやつなのだけど、これが不思議とウマが合うようで、気づけばもう15年ぐらいの付き合いになる。
学生時代、一緒に旅行したりすると、旅支度にもその違いは一目瞭然だった。「足りないものがあっても、まあ現地でなんとかなるさ」と大雑把に構えて、テキトーな荷造りで出かけるわたしに対し、彼女は携帯用のソーイングセットとか絆創膏とか、そういったものをちゃんと小さなポーチに忍ばせてくる。その用意周到ぶりに助けられたことは、数えきれない。
そんなわたしたちを見て、ある時母が「あんたたちって清八と喜六みたいやね」と言ったことがあった。え、何それ、どういうこと?と意味が飲み込めずにいる私に、母は説明してくれた。清八と喜六とは古典落語に出てくる凸凹コンビで、しっかり者の清やん(清八)と、うっかり者のきい公(喜六)のことだという。た、たしかに……。昔はそんな自分が不甲斐なくて、彼女に負けてちゃダメだ、とばかりに背伸びしたこともあったけれど、やっぱり人には性分というものがあるのだろう。今では「ま、いいか、わたしたちはこの凸凹コンビのままで」と開き直っている。
お互いに仕事や家庭を持って忙しくなってからは、昔のようにひんぱんにおしゃべりすることは減っていた私たち。その距離感が再びぐっと縮まったきっかけは、彼女の出産だった。初めてのベビー誕生は、さすがの彼女も戸惑うことだらけだったようで、妊娠中から何かと私に相談したり、頼ってくれた。予測しないことばかり起きる産前産後の暮らしは、それまでとは何もかも違うってこと、彼女よりひと足先に出産を経験したわたしにはよくわかる。些細なことにも動揺したり悩んだり。ふだん頼もしい彼女にもこんな一面があるんだなと、ちょっと可愛らしく思えたりもした。
「きい公」なわたしだから、頼もしいとまではいかないかもしれないけど、こんな時ぐらいは役に立ちたいな。愚痴を聞いたり励ましたり、一緒においしいものを食べて笑い合ったり、とにかく彼女がちょっとリラックスして、ラクになってくれたら。わたしはスマホを手に取り、彼女にメッセージを送る。「今度、会いにいくよ」と。
さて、お祝いには何を贈ろうかな。わたしが選んだのは、シロクマ風の耳つきフードがかわいいモコモコベスト。袖なしのベストは、秋から春先まで活躍シーンの多いお役立ちアイテムなのだ。ベビー用のアウターって、形によっては抱っこした時に服だけずり上がってしまうものもあるけれど、ベストならそんな心配もないのがいい。さらに生後3ヶ月頃から2歳頃まで長く着られる点は、先輩ママたちの「いいね!」を集めるイチオシポイントだ。
このベストのほかにも、おすすめの絵本とか、簡単手抜きレシピとか、教えてあげたいことがいっぱいある。わたしもたまには先輩風、吹かせちゃおうじゃないの。赤ちゃん育児は焦らず気張らず。ほどよく肩の力を抜いて、今しか味わえない幸せ、抱きしめていこうね。