いまや国民的行事と言える「聖バレンタインデー」。日本では、「愛を告白する日」と思われている。ところが、これは勘違いというか、後づけでつくられた風習であるということは、わりと知られたことだ。一説によるとチョコレートメーカーのプロモーション(販売促進)活動として生まれた日らしい。それも、元祖は神戸のチョコレートメーカーだったというではないですか!なんでも、“日本初”が多い神戸ですねえ。
本来のバレンタインは「愛を祝う日」だ。欧米では、この日はカップルが愛を祝う日で、家族や友だち同士で祝うひともいるくらいだ。愛を祝うとなれば概念が大きい。恋人、家族、隣人、友人、同級生、近所の人たち、どんどん愛の和は広がる。愛を一緒に祝ういろんな対象が考えられる、スケールの大きなイベントなのだ。チョコをだれにあげよう、どんなチョコをあげようと悩むなんて、愛じゃない(笑)。義理チョコをバラまくなんていうのも、愛じゃない。そういえば、義理チョコが流行したせいかどうかはわからないけど、いちばんチョコが売れたのはバブル時代(1990年前後)のことらしい。
バレンタイン狂想曲とでもいうのかしら。そんな熱狂の時代も、いまや冷めた感がある。ちかごろは、じぶんへのご褒美や家族への感謝がチョコの主な購入理由というから、本来の「愛を祝う日」にずいぶんと近づいたと言えるでしょう。チョコもひとにあげるだけでなくて、“じぶんチョコ”を用意するひとが増加傾向だとか。これは、“自己チューの愛”なのかな。じぶんにチュー!(なんちゃって)
ということで、バレンタインデーが「愛を告白する日」から「愛を祝う日」になってきたと実感できる昨今。あなたもここで、方向転換してみてはどうだろう。「愛を祝う日」にちなんで、あらためて愛を交換する。そういう意味で、ふたりで何かを買って交換するというのは、どうでしょう。こじつけかな?(笑)
磁器で有名なリヤドロに「lovely worldコレクション」という名前の、まさにこの日にふさわしい置物がある。イヌ、ネコ、キツネ、ウサギ、クマ、フクロウ、ペンギンなど。さまざまな磁器製のまっ白な動物が胸に赤いハートを抱いている、そんなフォルムのシリーズだ。赤い糸で結ばれたものたちが運命的に出会う物語をテーマに創作されたものだ。古い言い伝えによると、生けとし生けるものは、みな目に見えない赤い糸で結ばれているとか。どんなにときが経とうが、どれだけ距離が離れていようが、固く結ばれた糸はほどけることがないと言う。素敵な謂れですね。この置物を愛する者同士が、それぞれ購入して、交換し合おうというわけだ。
そうですね。なにを買うかは、それぞれが似ていると思う動物を買って交換するとか、スキな動物を聞いてそれを買って贈るとか。いろいろ趣向をこらせそう。ふたりが別々に住んでいるなら、もらった動物は普段それぞれが部屋に飾っているのだけれど、バレンタインの日には毎年それを交換して相手のお部屋に動物がお邪魔する。愛を確認する行為というか、愛を祝う日の、ふたりだけの風習にしていくわけだ。バレンタインじゃなくても、誕生日とかに居場所を交換するのも良いよね。そしてバレンタインやホワイトデーにはそれぞれのものを、どちらかの部屋に持ち寄ってペアリング。それを見ながら、愛を祝うというのは、どうだろう。その日はふたりの好きな料理やお酒を用意して、愛を祝うのだ。レストランやホテルの部屋を予約しても良い。互いが持つものを持ち寄って、ふたつを飾って食事する。考えているだけで心が温かくなってく。
愛は乾いていませんか。愛は続いていますか。2月14日は、愛を祝おう。愛に恋してみませんか。