華やかで洗練された暮らしのフロア 本館4階 Time of Grace

2025.01.17

さて、新年。なにかを新しくするなら。

年が変わった。新しい年になった。たった1日の違いなのに、なんだろう、この気持ちの変化は。なんだか、とてもドラスティックなできごとでもあったかのように感じる。年が変わるって、じぶんにはなんの変化もないのに(もちろん、ひとつ年を取るのは大きな変化ではあるのだが)、ものすごく大きな変化があったような気がするから不思議だ。変化は大事。なにかを変えることは大事だ。ずっと、おんなじ状況や環境の中にいると、いずれマンネリ化してしまう。マンネリ化すると独創性や新鮮さが失われてしまう。マンネリ化した毎日なんか、楽しくない。もちろん、変わらないことも大切だし、守るべきものをちゃんと守り続けることは、変化の多い時代だけに大切にすべきことかもしれない。でも、ワンパターン化された毎日は退屈だ。大きな変化は望まなくても、毎日の生活の中に、小さな変化や小さな発見があれば、人生を楽しくしてくれる。人生は、楽しいほうが良いですもんね。そのためにも、変化は大切。大きな変化ではなく。小さな変化。毎日にどうすれば、小さな変化を、起こせるか。そんなことを、年が変わったことをきっかけに、考えてみた。

年が変わったタイミングで、なにかを新しくしたい。なにかを変えたいと思うひとは多いと思う。新年のタイミングで、新しくしたいものに、どんなものがあるだろう。生き方や行動なんていうのは、気軽に変えるわけにはいかない。家やクルマなんていうのも、いますぐというわけにはいかない。まずは、身のまわりのものや持ちものからになるだろう。歯ブラシ、下着、靴下、ハンカチ、タオル、石鹸、シーツ、枕カバー。そんな身のまわりのものを、新年を機に新しいものに替えるひとは多いだろう。なかでも、新しい下着をつけて新年を迎えるというひとは多いことだろう。あなたも、元旦に下着を新しくしたひとりでは?これには、いわれがある。「着衣初(きそはじめ)」といって、新調した着物を正月3が日に着用して縁起を担ぐために行われていた風習の名残だ。新しくするのは着物に限られるのではなく、肌着、下着や靴下などでも良いといわれている。だから、いまでも元旦の朝に新しい下着や靴下を身につけるひとは多い。子どものころに、お母さんが新年に新しい下着を用意してくれたのは母のありがたみを実感する思い出だ。母の愛情ともいえるこの風習。いまでも時代を越えて多くの家庭で受け継がれていると思う。良い風習ですね。

新年に新しくするものベスト10というものがあるなら、おそらく上位にランクされるものに財布があるだろう。新年に新調する財布を「春財布」という。新年に財布を新調すると、運気があがってお金がたくさん入ってくると言われている。もしも、長年、同じ財布を使っているなら、新年こそ財布を新しくするタイミングだ。考えてみれば、1日のうちに財布を取り出すことって、けっこう多いものだ。
銀行のキャッシュカード、クレジットカード、定期券、病院の診察券、近ごろだとさまざまな会員カード。と、じつに多くのカードを持ち歩いている。気づけば、財布の中はいろんなカードでいっぱいだったりする。かくして、1日に何度もカードを取り出すために、財布を出すことになる。財布を出すたびに、その財布には相手の目が行く。ときには、話のきっかけになる。話題のきっかけになることを狙って、財布を選ぶのも悪くないと思うが。さて、どうだろう。

「印伝」と呼ばれる高級鹿革に本漆で柄付けする日本固有の皮工芸品がある。戦国時代には鎧、兜を飾ったもので、その後巾着や莨入れ(たばこいれ)などにいかされるようになり現在に伝承されている。この謂れを知っていると、「めずらしい財布ですね」と話しかけられたりすると、ついついこの財布が持つストーリーを語りたくなる。財布から、会話やコミュニケーションが広がる。財布を新しくすることで、会話やコミュニケーションも新しくなるというわけだ。
一見無骨だけど、繊細な美しさがある印伝。その使われ方はまさに、実用的だったわけだが、時代は転じて会話のきっかけになるというのも、それはそれで実用的だ。この、実用の美は男性にも女性にも似合うのではないだろうか。

印傳屋
傳屋(いんでんや)の創業は遠く1582年(天正10年)にまで遡る。漆付け技法に象徴される甲州印伝の技法は、代々家長に口伝され、生活を彩る実用美として、いまの時代にも息づいている。鹿革の柔らかな手ざわりは人肌に最も近いといわれる。軽くて丈夫なため、古来より生活の道具や武具に使用されてきた。
ミニがま口
2,640円(税込)
二つ折り財布
19,800円(税込)
長財布
17,600円(税込)
■売場
本館4階 メゾン・ド・キモノ 荒川[さんび]
フロアマップ
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