2023.09.26
たまには、集まろうよ。いいね、いいね。
でもさー、フツーに集まったって面白くないよね。そこで、みんなに提案。当日のドレスコードを決めない？と、仲の良い友だち同士のグループチャットでワタシが言い出した。なかには、「そんなの面倒じゃん」と言う声もあった。「なんで、ドレスコードが必要なのよ？」と、いぶかる友人もいた。でも、「ま、秋だしね。オシャレごころで楽しんでみようよ」とかなんとか言って、押し切っちゃった。けっきょくみんなも、最後はけっこうおもしろがって賛成してくれたんじゃないかしら。
ワタシの提案は、こうだ。
発表するわねー。当日はドライフラワーをどこか身に付けてくること。それがドレスコードよ。会場はうちのリビングダイニングにするからね。そうそう、もうひとつ。パーティーはポトラックパーティー。意味、わかるよね？あり合わせで良いからじぶんでつくった料理を持ち寄るってヤツだよ。それが、ポトラックパーティーだよ。まさか、ドライフラワーつながりでドライフード料理に限る。なーんて、そこまで“ドライ縛り”にしないから安心してね！ま、みんな、アイデアを考えることから楽しんでよねー。
“ドライフラワーを装いにプラスすること”その、ワタシの決めたルールのなかで、みんなはどんなアイデアをめぐらすか。そしてどんな趣向を凝らしてワタシのうちにやってくるか。当日までのプロセスを楽しむのも、楽しみのひとつでもある。ワタシの耳に聞こえてくる友人たちからの噂では、みんないろいろと情報を交換し合っているらしい。「帽子にドライフラワーをつけるなんていうのは、どうかしら？平凡かなあ」「セーターの胸に付けるなんていうのは、もっと平凡だよね」「ドライフラワーのピアスを自作しようか」なかには「ドライフラワーでスカートをつくれないか」と、考えているスーパー手づくり女子もいるらしい。ホントウにできるのかしら？でも、彼女ならできるよね。ふだんから手づくりをとっても楽しんでいるもの。そんなウワサが行ったり来たりするだけで、こんどの集まりはいつも以上に盛り上がっている。それも目当てだったから、ネライ的中というところだ。
かく言うワタシはどうしよう。ドライフラワーのスカートに負けないような秘策を考えねば。ドライフラワーのスーツはどうだろう。でも、それじゃ、ドライフラワーのスカートとアイデアは同じだ。面白くない。全身、ドライフラワーのタトゥー？？それは、いくらなんでもねえ。（笑）。ならば、ドライフラワー柄のセーターでも編んでみますか。ワタシにとっては大作ではあるが、まだまだ意外性がないかな。
では、ドライフラワーを生地にプリントすることからはじめて、その生地で縫ったシャツとジャケットのコーディネイトというのはどうだろう。これはワタシの腕前を考えると、もう、夢というか妄想レベルかもしれない。でも、もしできたら、楽しいだろうなあ。
さて、その日が来た。わが家のドアの前にはドライフラワーをあしらったウエルカムボードを立てた。ドライフラワーを装いのどこかに取り入れたファッションで着飾った友人たちがやって来た。みんなをリビングダイニングへ招き入れる。ドアを開け、そこに下がるシャンデリアを見たトタン、みんなが「アッ…」という声を漏らした。全員の目が丸くなっているではないか。そして、次の瞬間には「やられたー」と、全員が声をそろえて叫んだ。
そこに下がっていたシャンデリアはドライフラワーで飾られている。これは、フラワーアーティストがドライフラワーをデコレーションした世界にひとつのシャンデリアなのだ。
さあ、今宵、世界にひとつのパーティーがはじまる。
